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Ticketing Lab チケッティング比較・検証メディア
Editorial Review · 2026 Edition

主催者のための
チケッティング
14社徹底比較

Ticketing Lab 編集部が、日本の主要チケッティングサービス14社を主催者目線で網羅的に検証。
大手プレイガイドから演劇特化型、セルフサーブ型まで——「自分たちの公演に合うのはどこか?」を見極めるためのガイドブック。手数料・機能・対象規模・運営工数の4軸でフラットに比較し、総合ランキングと用途別の推奨を提示する。

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KNOWLEDGE BASE — 基礎知識・運営ガイド

主催者のための
チケットシステム完全ガイド

チケットシステムの選び方から興行成功のポイントまで、舞台公演主催者が知っておくべき基礎知識を網羅。Ticketing Lab 編集部による独自ガイドです。

01 — What is

チケットシステムとは?

主催者と観客の間に立ち、チケットの販売・代金回収・本人確認・入場管理までを一括で代行するプラットフォーム。手売りや銀行振込での個別対応を不要にし、運営工数とミスを大幅に削減します。

チケットシステムとは、舞台公演・コンサート・スポーツイベント等のチケットの販売・決済・発券・入場管理を一括で行うサービスのことです。観客は専用サイト上でチケットを購入し、システムが代金を回収・主催者に送金。当日はQRコードや座席指定情報を使って入場管理が行われます。

舞台公演の主催者にとって、チケットシステムは単なる「販売ツール」ではなく、運営インフラ全体を支える存在です。手売り中心の運営から脱却することで、団員の負担軽減、当日受付のスムーズ化、観客データの取得、リピーター獲得まで、現場の運営品質を大きく変えることができます。

チケットシステムの3つの基本タイプ

国内のチケットシステムは、運営モデルと得意分野で大きく3タイプに分かれます。

TYPE A
大手プレイガイド型

ぴあ・イープラス・ローチケ。会員数千万人、全国コンビニ発券、委託販売型。大規模公演や知名度向上が必要な場合に必須。手数料は売上の10%前後。

TYPE B
演劇・舞台特化型

こりっちチケット!・teket・カンフェティ。舞台公演の運営実務に最適化された機能と、観劇ファンへの直接リーチが強み。手数料は5〜10%。

TYPE C
セルフサーブ汎用型

TIGET・Peatix・PassMarket。主催者自身がイベントページを作成・販売。即日販売開始可能で、SNS拡散やコミュニティ運営との相性が良い。

なぜ電子チケット化・脱手売りが進むのか

舞台公演のチケット販売は、長年「団員手売り+当日現金受付」が一般的でした。しかしこの方法は、運営側に大きな負担を強いる構造です。団員一人ひとりが個別に販売管理をする手間、現金の取り扱いミス、当日受付の混雑、購入者情報の散逸——これらすべてが、本来稽古や本番準備に充てるべきリソースを奪っていました。

電子チケット化が進む背景には、こうした運営課題に加え、観客側の購入体験の向上もあります。スマートフォンでQRコードを表示するだけで入場でき、チケット紛失のリスクもない。決済もクレジットカードやPayPayで完結。観客にとっても主催者にとっても、電子化のメリットは大きく、業界全体が脱手売り・電子チケット化に向かっています。

主催者にとっての導入メリット

  • 運営工数の削減 — 販売・決済・発券・入場管理が一元化され、団員手売りや当日現金管理の負担がほぼゼロになる。
  • 観客データの蓄積 — 購入者の連絡先・観劇履歴を継続的に取得でき、リピーター育成や次回公演の告知に活用できる。
  • 集客チャネルの確保 — 大手プレイガイドや特化メディアの会員基盤にイベントが掲載され、自前ルートを超える集客が可能になる。
  • 不正対策・転売抑止 — 本人認証付きQRチケットや公式リセール機能により、ダフ屋・転売リスクを低減できる。
  • 運営の透明性向上 — リアルタイムで売上・来場予測が可視化され、追加販売や席数調整の意思決定が早くなる。
02 — Pricing

手数料の仕組みを徹底解説

チケットシステムの手数料は「主催者負担」と「購入者負担」の二層で構成される。表面料率だけでなく、隠れコストを含めた実質負担で比較することが、収支管理の第一歩。

主催者手数料と購入者手数料の違い

チケットシステムの手数料は、主催者が支払う「販売手数料」と、観客が支払う「購入手数料」の二層で構成されています。主催者手数料は売上の○%という形で精算時に差し引かれるのが一般的で、サービスごとに5〜10%程度の幅があります。一方の購入者手数料は、システム利用料・発券手数料・コンビニ支払手数料などの形で、観客がチケット代金とは別に支払う追加コストです。

主催者として注意すべきは、「表面手数料が安い」だけで判断しないことです。たとえ主催者手数料が5%でも、購入者側に500円以上の追加負担が発生する設計だと、観客の購入意欲が落ち、結果として動員に影響します。両者の合計を「実質手数料」として比較することが重要です。

手数料の3層構造

サービスによって呼称は異なりますが、チケットシステムの手数料は基本的に3つのレイヤーに分けられます。

システム利用料

チケット販売プラットフォームの利用に対する手数料。販売額の5〜10%が一般的で、主催者または購入者が負担します。「販売手数料」「販売委託料」とも呼ばれます。

決済手数料

クレジットカード会社や決済代行業者に支払う実費。これがシステム利用料に含まれているか、別建てか、サービスにより設計が違います。クレジットカード3〜4%、PayPay2〜3%が業界相場。

発券・受取手数料

紙チケットの発券や、コンビニでの受取・支払いに対する手数料。1枚あたり100〜330円程度で、主に購入者が負担します。電子チケット(QR)運用なら多くの場合ゼロにできます。

なぜ大手は10%、特化型は5%なのか?

大手プレイガイド(ぴあ・イープラス・ローチケ)の手数料が約10%と高水準なのは、会員数千万人へのリーチ・全国コンビニ発券網・運営代行サービスなどのインフラコストが反映されているためです。委託販売型のため販売・問い合わせ対応・発券業務をすべてプレイガイドが代行し、主催者の運営工数は最小限になります。

対して、特化型サービス(こりっちチケット!・teketなど)はセルフサーブ型で運営代行を含まないため、その分手数料を低く抑えられます。特にこりっちチケット!のクレジットカード・PayPay決済5%は、業界最安水準。主催者自身で販売管理を行うことを前提に、コスト構造を最適化しています。

見落としがちな「隠れコスト」

表面手数料だけでは見えないコストがいくつかあります。導入前に必ず確認すべき3点を整理します。

⚠ チェックすべき隠れコスト
  • 最低保証額:委託販売型で見られる仕組みで、販売手数料が一定額に満たない場合に差額を支払う必要がある(カンフェティの委託は11,000円)。小規模公演で利用するとリスクになる。
  • コンビニ発券手数料:紙チケットを発券する場合、コンビニ手数料110〜330円/枚が購入者負担となる。電子チケット運用なら回避可能。
  • 入金タイミング:公演後の入金(最大1〜2ヶ月後)が一般的で、運営資金のキャッシュフローに影響する。一部サービス(カンフェティ直接販売など)は公演前入金が可能。

ユーザー手数料シミュレーション例

主催者手数料を観客に転嫁するモデル(主催者負担0円)を想定し、客席500席、チケット単価4,000円の公演でユーザー1人が支払う追加手数料500枚合計のユーザー負担を比較します。観客側の購入ハードルがどう変わるかが、サービス選定の判断材料になります。

サービス 料率 1枚あたりユーザー手数料 500枚合計
こりっちチケット! 5% ¥200 ¥100,000
TIGET 5.5% ¥220 ¥110,000
teket(指定席) 10% ¥400 ¥200,000
ぴあ 約10%+発券料 約¥500〜 ¥250,000〜

※ 主催者手数料を観客に転嫁するモデル(主催者負担0円)の試算。ぴあなど大手プレイガイドはシステム利用料・コンビニ発券料が別途加算されるため、ユーザー負担は手数料率以上に膨らみます。観客1人あたり300円の差は、満席で15万円の動員機会損失につながりうる重要な要素です。

03 — Selection Guide

失敗しないチケットシステムの選び方

「安いから」「有名だから」だけで選ぶと失敗する。公演ジャンル、規模、運営体制、観客層の4軸でフィットを判断するのが、後悔しないチケットシステム選定の鉄則。

判断すべき6つの軸

サービス選定にあたっては、以下の6軸を順番に検討することをおすすめします。重要度の高いものから優先順位をつけ、自分たちの公演に最もフィットするサービスを絞り込んでいきます。

AXIS 01
公演ジャンル

現代演劇、クラシック、ミュージカル、アイドル、お笑い——ジャンルによって観客層が異なり、相性のいいサービスも変わる。

AXIS 02
公演規模・席数

100席の小劇場と3,000席の大ホールでは、機能・コスト・運営代行ニーズが全く異なる。規模に合った選択を。

AXIS 03
運営体制

団員数、運営スタッフのITスキル、外部委託の予算——セルフサーブ型かフルサービス型かを決める基準。

AXIS 04
観客層

演劇ファン、若年層、高齢層、観光客——どこから観客を集めるかでサービスの会員基盤との相性が決まる。

AXIS 05
必要機能

関係者管理、座席指定、抽選販売、ライブ配信、グッズ販売——求める機能の有無で選択肢が絞られる。

AXIS 06
予算とキャッシュフロー

手数料率だけでなく、公演前入金が必要か、最低保証額の有無など、資金繰り全体で判断。

公演規模・ジャンル別の推奨パターン

代表的な公演タイプ別に、Ticketing Lab 編集部が推奨するサービスをマトリクスで整理します。

公演タイプ 第一候補 第二候補
小劇場・現代演劇(100〜300席) こりっちチケット! カンフェティ
クラシック・吹奏楽(座席指定) teket カンフェティ
中規模ミュージカル(500〜1,500席) カンフェティ イープラス
大型公演・ツアー(2,000席以上) ぴあ イープラス
2.5次元・声優・お笑い ローチケ ぴあ
ライブハウス・アイドル小箱 TIGET LivePocket
配信ライブ・有料配信 ZAIKO イープラス
セミナー・勉強会・コミュニティ Peatix PassMarket

「絶対NG」な選び方3パターン

過去の失敗例から学ぶ、避けるべき選定パターンを3つ紹介します。これらに該当する選び方をしている場合、サービス変更を検討する価値があります。

NG 1:表面手数料だけで決める

「手数料5%だから安い」と判断して契約したものの、購入者側に発生する追加手数料で観客動員が落ちた——これはよくある失敗。実質コストは主催者負担と購入者負担の合計で判断すべき。

NG 2:知名度だけで大手プレイガイドを選ぶ

100席の小劇場公演でぴあを使う——機能・手数料ともにオーバースペックで、契約審査でも引っかかる。公演規模に合った選択を。

NG 3:観客層と会員基盤のミスマッチ

クラシックコンサートをTIGETで売る、ライブハウスのアイドルライブをぴあで売る——観客層と会員基盤がズレると、集客効果がほとんど得られない。

04 — Production Tips

演劇興行を成功させる7つのポイント

チケットシステムを導入しただけでは集客は伸びない。販売開始のタイミング、関係者枠の運用、SNS連動の動線、リピーター育成——興行を成功に導くための実務的なポイントを7つ整理。

01

チケット販売開始のタイミング設計

販売開始は公演の8〜10週間前が理想とされています。これより早すぎると観客は予定が立たず、遅すぎるとSNS拡散の時間が足りなくなります。早割(早期購入割引)を最初の2週間に設定すると、初動の動員数が読みやすくなり、その後のプロモーション戦略を調整しやすくなります。

ファンクラブ・関係者・SNSフォロワー向けの先行販売を一般販売の1〜2週間前に設定するのも効果的です。コアファンに「特別感」を与えながら、初動の予約状況をプロモーションのフックとして使えます。

02

関係者・招待客枠の管理

舞台公演で見落とされがちなのが関係者枠の管理です。出演者の家族・知人、スタッフの関係者、メディア招待、スポンサー枠、教師・先輩・学校関係者——公演ごとに数十〜数百件の無料・割引招待が発生します。Excelでの手作業管理は、ダブルブッキング・伝達漏れ・当日受付の混乱の温床になります。

こりっちチケット!のように関係者管理機能を内蔵したサービスを使えば、招待リストの一括管理、招待コードの発行、当日のスムーズな受付までを一気通貫で運用できます。これは舞台公演特化型サービスならではの強みです。

03

早割・ペア割・学生割の戦略的活用

割引チケットは「動員数を稼ぐ手段」ではなく、公演の見え方をコントロールする手段として使うべきです。早割は初動動員を作り、ペア割は新規層の動員を後押しし、学生割は若年層・将来のリピーターを育てます。それぞれ目的が異なります。

割引率の設定は10〜30%程度が一般的。これより深い割引は「定価で買った人」の不満を生むため避けるべきです。割引期間と席種を明確に分けることで、フェアな運用が可能になります。

04

SNS連動と購入動線の設計

SNS告知のリンクから「3クリック以内」でチケット購入完了画面に到達できるか——これが現代の購入動線の基準です。X(Twitter)でフライヤー画像と公演情報のツイートを見た人が、リンクをタップして即購入できる状態を作る。途中で「会員登録が必須」「住所入力が必須」など余計なステップがあると、購入意欲は急速に冷めます。

電子チケット中心のサービスは購入完了までの動線がシンプルで、SNS連動と相性が良好です。TIGETのように購入ページにSNS共有ボタンが標準装備されているサービスは、購入後の自発的拡散も期待できます。

05

当日券・追加販売の戦略

当日券の取扱いは、公演全体の印象を左右する重要な要素です。「完売で当日券なし」は緊張感を生む一方、当日にふらっと来た新規層を逃します。客席の5〜10%を当日券枠として確保するのが、動員と機会損失のバランスを取る目安です。

電子チケット運用なら、開演直前まで当日券のオンライン販売が可能。スマホで購入→QRコードで即入場、という流れを整えておけば、当日券販売の人手も省けます。

06

リピーター獲得のための観客データ活用

公演の収支は「新規動員 × リピート率」で決まります。手売り時代と違い、電子チケットでは購入者の連絡先と観劇履歴が自動で蓄積されます。これを次回公演の告知メール、ファンクラブ案内、限定先行販売の対象リストとして活用することで、リピート率は劇的に上がります。

特化型サービスでは観劇ファン層のクチコミ機能や、観客との継続的な関係構築機能が用意されている場合があります。単発の販売ツールではなく、ファン基盤を育てるインフラとしてサービスを選ぶ視点が重要です。

07

公演終了後のフィードバック収集

公演が終わってからの48時間が、もっとも観客の感想・記憶が新鮮なタイミングです。公演直後にアンケートフォームを購入者全員にメール送付すれば、回答率は通常の2〜3倍になります。回答内容は次回公演の改善点、SNS拡散用の感想、リピーター候補のセグメント抽出など、複数の用途に使えます。

観劇クチコミサイトと連動したサービスを使えば、観客の感想がそのまま次回公演の告知材料になります。観客と主催者の継続的な関係づくりは、長期的な動員に直結する重要な要素です。

05 — FAQ

よくある質問

チケットシステムの導入を検討している主催者から寄せられる代表的な質問に、Ticketing Lab 編集部が回答します。

個人主催でもチケットシステムは使えますか?+

セルフサーブ型のサービスであれば、個人主催者でも問題なく利用できます。こりっちチケット!teketTIGETPeatixなどは審査なし・契約手続き不要で、メールアドレスでの登録だけで即日販売開始できます。大手プレイガイド(ぴあイープラスローチケ)は法人契約・実績審査が必要なため、個人主催者には敷居が高めです。

手数料が一番安いサービスはどこですか?+

表面手数料で最安水準は、PassMarketの3.24〜5%(法人向け)です。次いでこりっちチケット!のクレカ・PayPay 5%、TIGETの5.5%、Peatixの4.9%+99円となります。ただし手数料の安さだけで決めるのは危険。観客手数料・最低保証額・購入者の動員力なども含めた総合判断が重要です。

大手プレイガイドと特化型、どちらを選ぶべき?+

公演規模で判断するのが基本です。客席1,000席未満の小〜中規模公演では、特化型サービス(こりっちチケット!teketカンフェティ)の方がコスト・機能ともにフィットします。1,000席以上の大型公演や、コンビニ発券に慣れた幅広い観客層へのリーチが必要な場合は、大手プレイガイド(ぴあイープラスローチケ)が必須選択肢になります。両方を併用するパターンもありです。

関係者管理機能とはどんな機能ですか?+

舞台公演では、出演者の家族・知人、スタッフの関係者、メディア招待、スポンサー枠など、無料・割引招待の枠が公演ごとに数十〜数百件発生します。関係者管理機能とは、こうした招待リストを一括管理し、招待コードの発行、当日受付のスムーズな運用までを支援する機能のことです。こりっちチケット!のように舞台公演特化型サービスが内蔵していることが多く、Excelでの手作業管理から解放されます。

当日券はどう管理すればいいですか?+

電子チケットを採用しているサービスなら、開演直前までオンライン販売が可能です。当日券専用URLを準備し、SNSや公演会場のQRコードから誘導することで、現金管理なしで当日券販売を運用できます。客席の5〜10%を当日券枠として確保するのが目安。完売直前で当日券をクローズするか、最後まで開けるかは公演の方針次第ですが、機会損失を避ける意味では電子当日券の活用が推奨されます。

売上の入金タイミングはいつですか?+

大半のサービスは「公演終了後の月次精算」で、公演から1〜2ヶ月後の入金となります。これに対し、カンフェティの直接販売は毎月末締めで翌月15日または25日払いと、公演前入金が可能。運営資金のキャッシュフローを重視する場合は、入金タイミングをサービス選定の重要要素として確認すべきです。

手数料を観客に転嫁してもよいですか?+

設定可能なサービスもあります。TIGETは主催者0円スタート(5.5%を購入者転嫁)を選択可能。ただし観客の心理的負担が増えると動員に影響するため、業界相場(観客手数料0〜500円程度)の範囲内に収めることをおすすめします。完全に主催者が負担するか、半分ずつ負担するかなど、公演ごとの戦略に合わせて選びましょう。

委託販売とセルフサーブの違いは?+

委託販売は、プレイガイドにチケット販売・問い合わせ対応・発券業務を代行してもらう方式です(大手プレイガイドの基本形態)。手数料は10%前後と高めですが運営工数は最小限。一方、セルフサーブ型は主催者自身が販売ページを作成・運用する方式で、手数料は5%程度と低い反面、運営作業は自分たちで対応します。運営スタッフの数やITスキルに応じて選びましょう。

複数のチケットサービスを併用してもいい?+

併用は可能です。中〜大規模公演では、大手プレイガイド(広く動員)+特化型(コア演劇ファンへのリーチ)の二段構えがよく見られます。ただし席数の按分管理、ダブルブッキング防止、当日受付のオペレーションが複雑になるため、運営体制が整っていることが前提です。小規模公演では1つのサービスに絞るのが推奨されます。

サービスを変更する場合の注意点は?+

サービス変更時は、観客データの移行(個人情報の取り扱いに注意)、過去購入者への告知方法、新サービスへの慣れに必要な準備期間など、複数の課題があります。次回公演から切り替える形が現実的で、移行期はオペレーションの混乱を避けるためにも、シンプルな構成で運用するのが推奨。データ移行が難しいサービスもあるため、移行前に「サービスから取り出せるデータ」を確認しておくと安全です。

— 01 / Editorial Ranking

編集部総合ランキング

Ticketing Lab 編集部が「舞台公演を主催する立場」から、14社を6つの評価軸(手数料/集客力/運営工数/導入容易性/観客との関係性/専門性)でスコアリングした総合ランキング。
スコアは舞台公演主催者にとっての実用性を重視しており、音楽・スポーツなど他ジャンル主催者にとっての評価とは異なる点に留意されたい。

総合ランキング 1位〜14位

01
こりっちチケット!
演劇・舞台芸術特化/小〜中規模
92
決済手数料5%・関係者管理機能・観劇コミュニティ連動の三拍子
02
teket
クラシック・演劇/中〜小規模
87
座席DB内蔵・審査なし最短5分の導入容易性
03
カンフェティ
演劇・クラシック/中〜小規模
82
月刊誌連動による演劇ファンへの確実なリーチ
04
ぴあ
大手プレイガイド/大規模
78
圧倒的な集客力と全国流通網。中〜大規模では最有力
05
イープラス
大手プレイガイド/大〜中規模
76
スマチケと幅広いプラン展開で柔軟性が高い
06
TIGET
セルフサーブ・ライブ/中〜小規模
74
主催者0円スタート可、SNS拡散と相性◎
07
ローチケ
大手プレイガイド/大規模
73
2.5次元・お笑い・地方公演で強み
08
Peatix
セルフサーブ・コミュニティ/中〜小規模
70
コミュニティ機能でリピーター獲得
09
LivePocket
セルフサーブ・ライブ/中〜小規模
68
エイベックス系、シンプル料金が魅力
10
PassMarket
セルフサーブ・レジャー/中〜小規模
65
業界最安水準の手数料、PayPay対応
11
ZAIKO
配信特化・国際/中〜大規模
63
海外30ヵ国対応、配信ライブで強み
12
セブンチケット
大手プレイガイド/中〜大規模
60
セブン店頭で予約〜発券完結の安心感
13
楽天チケットmini
大手プレイガイド/中〜大規模
58
楽天会員1億超リーチ、法人専用が制約
14
EventRegist
セルフサーブ・ビジネス/中〜大規模
55
ビジネスイベント向け、舞台用途には不向き

スコアリング方法

編集部が以下の6軸で各サービスを評価。各軸を20点満点でスコア化し、合計を100点に正規化している。

01
舞台用途への専門性

舞台公演に必要な機能(席種設定・前売・当日精算など)が揃っているか

02
手数料の妥当性

主催者・購入者双方の負担を、小〜中規模公演の収支に照らして評価

03
集客力・リーチの質

絶対会員数より「舞台ファンへのリーチ純度」を重視

04
運営工数の負担

制作スタッフが消費する時間・労力の小ささ

05
導入の容易性

審査・契約・初期設定の手間と、団体規模を問わない柔軟性

06
観客との関係性

取引仲介を超えて、観客との継続的な関係を築ける構造があるか

— 02 / Categorization

3つのカテゴリで整理する

14社をいきなり並べても見えにくいので、まず運営方式と立ち位置で3グループに分ける。各グループで主催者にとっての意味合いがまったく異なる。

01

大手プレイガイド型

Mainstream Playguide · 5社

大規模な会員基盤と全国の店頭網を持ち、業界標準として機能する。集客力と安心感は最大級だが、主催者は審査を経て契約し、購入者は重めの手数料を負担する。大規模・全国公演や、知名度を最優先したいケースの選択肢。

02

演劇・舞台芸術特化型

Theater-Native · 3社

演劇・クラシック・舞台芸術を中心に据えたサービス群。それぞれが独自のメディア(雑誌・クチコミサイト・座席DB)を持ち、ファン層を直接抱えているのが強み。汎用サービスでは届きにくい層に確実にリーチできる。

03

セルフサーブ汎用型

Self-Serve General · 6社

主催者自身が公演ページを作って販売する方式。手数料は低めで、審査・契約が緩く、即日販売開始できるのが共通点。それぞれライブ/配信/コミュニティ/企業セミナーといった得意領域で棲み分けている。

— 03 / Positioning Map

14社のポジショニング

縦軸に「対象規模」、横軸に「ジャンル特化度」をとると、各サービスの立ち位置が立体的に見える。同じセルフサーブ型でも、TIGETPeatixでは得意領域がまったく違う。

↑ 大規模・全国公演
小規模・小劇場 ↓
舞台芸術特化 →
← 全ジャンル
e+
楽天
大手プレイガイド
演劇・舞台芸術特化
セルフサーブ汎用
— 04 / Master Table

14社一覧表

主要な指標を横並びで一望できるマスターテーブル。手数料はあくまで目安で、プランや契約条件によって変動する。詳細は各社の公式情報を必ず確認のこと。

カテゴリ サービス 運営 主催者手数料 購入者負担の特徴 得意ジャンル 対象規模 導入のしやすさ
大手 ぴあ ぴあ株式会社 売上の約10% システム330+発券165+決済 音楽/スポーツ/大型舞台 大規模 審査必要
大手 e+ イープラス イープラス 抽選8%/一般10% システム220〜330+発券165 音楽/クラシック/演劇 大〜中 プラン選択
大手 ローチケ ローソンエンタテインメント 売上の約10% システム330+発券110〜165 音楽/お笑い/2.5次元 大規模 審査必要
大手 セブンチケット セブン&アイ 非公開(要相談) 店頭発券108円〜 音楽/レジャー/スポーツ 中〜大 審査必要
大手 楽天チケットmini 楽天グループ 4.9%(負担割合可変) 主催者と分担可 全ジャンル 中〜大 法人のみ
特化 こりっちチケット! 株式会社こりっち クレカ・PayPay 5% 負担を抑える設計 舞台芸術/小劇場 小〜中 団体登録のみ
特化 カンフェティ ロングランプランニング 4.8%+70円目安/委託は別途 0〜660円/公演別 演劇/クラシック 中〜小 登録のみ
特化 teket 株式会社teket(ドコモ系) 自由席8%/指定席10% 主催者負担が基本 クラシック/オーケストラ 中〜小 審査なし
セルフ Peatix Peatix Inc. 4.9%+99円/枚 主催者負担が基本 セミナー/コミュニティ 中〜小 登録のみ
セルフ TIGET 株式会社grabss 5.5%(購入者負担で実質0円可) 0円〜220円/枚 ライブ/アイドル/お笑い 中〜小 個人OK
セルフ LivePocket エイベックス・デジタル 5%(負担先選択可) 主催者選択次第 ライブ/音楽イベント 中〜小 登録のみ
セルフ PassMarket LINEヤフー 3.24〜5% 主催者負担が基本 レジャー/施設/一般 中〜小 登録のみ
セルフ ZAIKO ZAIKO株式会社 10%+50円/枚(0%設定可) 柔軟に分担可 配信/音楽/フェス 中〜大 登録のみ
セルフ EventRegist イベントレジスト 売上の8% 主催者負担が基本 ビジネス/カンファレンス 中〜大 登録のみ
— 05 / Head-to-Head

大手 × ベンチャー × 特化型

舞台主催者が最初に検討することの多い7社をカテゴリ横断で並べる。
大手プレイガイド3社、セルフサーブ型ベンチャー3社、演劇特化型1社。
各サービスが「異なる課題に対する異なる答え」を提示していることが見えてくる。
優劣を決める表ではなく、自分の公演にとっての合理性を読み取るための地図だ。

Mainstream Playguide
ぴあ e+ ローチケ
大規模流通インフラ
×
Venture · Self-Serve
teket TIGET Peatix
セルフサーブの新興勢
×
Theater-Native
舞台芸術の現場特化
ぴあ e+ ローチケ teket TIGET Peatix こりっちチケット!
01
想定する公演規模
大規模

数千〜数万人規模が主軸。小劇場にはオーバースペック。

大〜中

大型公演から中規模ライブまで対応。

大規模

大規模公演が主戦場。地方公演にも対応。

中〜小

アマチュアオーケストラ発祥で中小規模に最適化。

中〜小

ライブハウス・小箱中心。中小規模に強い。

中〜小

セミナー・コミュニティ規模が主流。柔軟。

小〜中

小劇場〜中規模に最適化。100〜500席で工数効率が高い。

02
主催者手数料
約10%

売上の約10%が主催者負担。プレイガイド標準水準。

8〜10%

抽選販売8%/一般10%。プランで料率調整可。

約10%

大手標準の10%水準。委託型のため工数は最小。

8〜10%

自由席8%/指定席10%のシンプル設計。

5.5%

主催者負担5.5%、購入者負担に転嫁すれば0円も可能。

4.9%+99円

業界最安水準。ただし1枚99円が低単価で重く効く。

クレカ・PayPay 5%

クレジットカードとPayPay決済のシステム利用料が業界最安水準の5%。小規模公演の収支構造を前提に設計。

03
購入者手数料
約500〜1,500円

システム330+発券165+決済等。先行販売だと1,500円超も。

約400〜1,000円

スマチケ受取で発券手数料を抑えられる。

約500〜1,500円

大手標準の手数料水準。Loppi店頭でも発生。

主催者負担が基本

主催者負担が基本で、購入者の追加負担は最小限。

0〜220円

主催者の設定次第。購入者負担にすると追加発生。

0〜220円程度

主催者負担が基本だが、決済方法による加算あり。

負担を抑える設計

小劇場のチケット単価3,000〜5,000円帯で軽くなる方針。

04
会員基盤の規模
2,000万+

業界最大。年間8,000万枚を発券する規模感。

1,500万+

音楽ファン中心の巨大基盤。

大規模

非公表だが大手3社の中で同等規模。

100万+

累計利用者100万人。クラシック層が中心。

130万+

30万件以上のイベント取扱い実績。

840万+

ベンチャー系では最大級。グローバル展開。

演劇ファンに特化

規模より純度。CoRich舞台芸術!が観劇層を抱える。

05
リーチの質
不特定多数

あらゆるジャンルが混在。小劇場公演はノイズに埋もれやすい。

音楽寄り

音楽・ライブファン中心。演劇カテゴリは規模が小さい。

サブカル寄り

2.5次元・お笑い・地方公演で強い。現代演劇は薄い。

クラシック中心

クラシック・吹奏楽ファンが中心の構成。

ライブ・アイドル系

音楽イベントとアイドルファンが主要層。

セミナー・趣味

勉強会・コミュニティ参加者中心で、演劇層は薄い。

演劇を「探している」層

クチコミ・観劇記録を残す観客が中心。能動層に届く。

06
導入のハードル
高い

主催者契約に審査必要。実績のない団体は難しい。

WEBオープンなら個人OK。スタンダードは要相談。

高い

取引には審査必要。契約までに時間を要する。

非常に低い

審査なし、最短5分で公演ページ作成可能。

低い

個人主催者でも気軽にスタートできる。

低い

登録のみで利用開始。契約手続き不要。

低い

団体登録のみでスタート可能。劇団立ち上げ初期にも。

07
運営工数
低い

委託型で主催者の販売運営工数は最小。問合せもぴあが一次受付。

プランによりセルフ/委託の比重が変わる。

低い

委託型のため販売運営工数は最小。

低い

主催者の手売り問題を解決する目的の設計。座席DB内蔵。

セルフサーブだが、UI/機能はシンプルで習熟しやすい。

セルフサーブ。コミュニティ運営機能で管理を効率化できる。

最適化

小劇場の制作スタッフ向けに工数を意識した設計。関係者・招待客の枠管理機能を内蔵。

08
発券・受取方法
最多

セブン/ファミマ/電子/配送など全方位。

多彩

スマチケ/QR/コンビニ/配送に対応。

多彩

Loppi/コンビニ/電子チケットに対応。

QR・PDF対応

QR電子チケット中心。PDF印刷で紙発券にも対応。

QR電子主体

QR電子チケット中心。セブン非対応など制約あり。

電子主体

アプリ・ブラウザでの電子チケット。コンビニ決済も可。

QR電子主体

QR電子チケット中心。小劇場の客層では問題になりにくい。

09
主催者と観客の関係性
取引仲介型

巨大な売り場。販売後の関係構築は主催者側で別途。

取引仲介型

仲介型。直接的な関係構築には限界あり。

取引仲介型

仲介型。FC運営代行など別途サービスで補完。

取引+ファン管理

団体ページ・フォロー機能で再来訪を促す導線あり。

SNS連携型

SNSシェア機能との親和性が高く、拡散しやすい。

コミュニティ型

グループ・フォロワー機能でリピーター獲得に強い。

コミュニティ型

クチコミ・観劇記録を媒介に、観客同士・観客と主催者がつながる。

10
最も向いている主催者
大規模・全国流通

知名度を最大化したい大型公演。

音楽寄りの中〜大

音楽連動の舞台、電子チケットを使いたい層。

2.5次元・お笑い

サブカル系・地方公演を含む大規模公演。

クラシック・吹奏楽

アマチュアオーケストラ・座席指定が必要な公演。

個人・インディー

SNS運用が得意な小規模ライブ・イベント。

セミナー・勉強会

コミュニティ形成型のイベント運営。

小劇場・現代演劇

観客との関係を育てたい小〜中規模舞台公演。

「最大の売り場」を借りる

大規模公演で知名度・流通力を最優先。代償として手数料負担と運営前提が大きく変わる。小劇場には基本的にオーバースペック。

e+
「音楽寄りの大手」を選ぶ

大手の集客力と電子チケットの利便性を両取り。ただし演劇ファンへのリーチでは構造的に不利。

「サブカル寄りの大手」

2.5次元・お笑い・地方公演で強い。Loppi店頭発券に慣れたファン層へのリーチが最大の武器。

「手売り問題の解決」

アマチュア音楽団体の運営課題から生まれたサービス。座席指定とシンプルな料金で、低ハードルに導入できる。

「SNS時代のセルフサーブ」

主催者0円スタート可能。SNS連携でライブ・イベントを軽快に運営したい個人・インディーに最適。

「コミュニティと一緒に売る」

グループ・フォロワー機能でリピーター獲得に強い。セミナー・勉強会・趣味コミュニティ向けの王道。

「演劇の現場」に立つ

クレカ・PayPay手数料5%、関係者管理機能、観劇コミュニティ連動。小〜中規模の舞台公演主催者に必要な要素が揃った特化型。

7社を並べて見えてくるのは、それぞれが「異なる課題に対する異なる答え」を提示しているということ。
大手は「大規模流通インフラ」ベンチャー系は「セルフサーブの自由度」特化型は「コミュニティ密着の販売装置」
どれかが他を駆逐するわけではなく、規模・ジャンル・運営体制によって最適解が変わる。

— Group A · Mainstream

大手プレイガイド型 5社

会員基盤と店頭網を武器に、業界標準として機能してきた5社。コンビニ発券・全国流通・大規模公演の処理能力で他のグループを圧倒する。
その代償として、主催者は審査を経て契約し、購入者は重めの手数料を払う。

PIA — The Giant
最大手

1984年創業、年間約8,000万枚を発券する日本最大手。会員2,000万人超、コンビニ網と組み合わせた圧倒的な販売チャネル。

会員数
2,000万+
年間発券
8,000万枚
主催料
約10%

STRENGTHS

  • 圧倒的な認知度・会員基盤
  • セブン/ファミマ全国網
  • 追加コストなしのメルマガ告知

TRADE-OFFS

  • 購入者の手数料負担が大きい
  • 審査が必要、小規模には向かない
eplus — Music-Heavy
大手・音楽寄り

ライブ・音楽系に強い大手。電子チケット「スマチケ」を早くから導入。ライト/スタンダード2プラン、主催者手数料8〜10%。

会員数
1,500万+
電子券
スマチケ
主催料
8〜10%

STRENGTHS

  • スマチケで紙発券コスト削減
  • 音楽・クラシックでの実績
  • 個人主催者でも使える

TRADE-OFFS

  • 演劇特化ではない
  • 機能フルセットはスタンダードから
Lawson Ticket
大手・サブカル強

ローソン/ミニストップ店頭網(Loppi)が強み。お笑い・2.5次元舞台などサブカル領域で強く、月刊ローチケローチケbiz+など派生も。

店頭網
ローソン全国
独自媒体
主催料
約10%

STRENGTHS

  • 2.5次元・お笑い・地方公演で強い
  • FC運営・グッズ販売代行

TRADE-OFFS

  • 取引には審査必要
  • 現代演劇・小劇場には弱い
店頭発券特化

セブン&アイ系列。セブン-イレブン店頭でのチケット申込・支払・発券をワンストップで完結できる店頭強化型のサービス。

店頭網
セブン全国
支払
店頭完結
手数料
108円〜

STRENGTHS

  • 店頭で予約〜発券まで完結
  • nanaco・現金支払いに強い

TRADE-OFFS

  • 独自の集客チャネルは限定的
  • 小規模演劇への特化はない
Rakuten Ticket mini
楽天会員1億超

楽天グループの自由席・スタンディング向け販売管理。法人専用で、楽天会員1億人超のリーチを活用できる。手数料4.9%、負担割合は柔軟。

会員数
1億+
主催料
4.9%
対象
法人のみ

STRENGTHS

  • 楽天会員へのリーチ
  • 負担割合を柔軟に設定可

TRADE-OFFS

  • 個人での利用は不可
  • 座席指定不可(自由席向け)
— Group B · Theater-Native

演劇・舞台芸術特化型 3社

演劇・クラシック・舞台芸術を主軸に据えるサービス群。それぞれが独自のメディア(雑誌・クチコミ・座席DB)を持ち、汎用サービスではリーチしにくい層を抱えている。
汎用サービスとの最大の違いは「観客と主催者が同じ場所にいるかどうか」だ。

CoRich Ticket — Theater-Native
舞台芸術特化

観劇クチコミサイト「CoRich舞台芸術!」を母体に、舞台公演に特化したセルフサーブ型チケット管理システム。クレカ・PayPay決済のシステム利用料5%、関係者・招待客管理機能、観劇コミュニティ連動が三大特徴。

決済手数料
5%
関係者管理
対応
媒体連携
CoRich舞台芸術!

STRENGTHS

  • クレカ・PayPay手数料5%の業界最安水準
  • 関係者・招待客の枠管理機能を内蔵
  • 観劇クチコミ・舞台芸術ベストテンとの連動
  • 団体登録のみで導入可能

TRADE-OFFS

  • 演劇以外のジャンルには不向き
  • 会員基盤の規模では大手に劣る
Confetti — Theater Magazine
演劇/クラシック

演劇・クラシックに特化した割引チケット販売サイト。雑誌「カンフェティ」と連動した告知・集客が特徴。他システムとの業務提携も持つ。

特化領域
演劇/クラシック
独自媒体
購入手数料
0〜660円

STRENGTHS

  • 雑誌・サイト連動の集客
  • 割引チケットの取扱い実績

TRADE-OFFS

  • 委託販売は最低保証額あり
  • 導線がやや複雑
teket(テケト)
teket — Orchestra-Born
クラシック・演劇

NTTドコモ系から独立した株式会社teketが運営。アマチュアオーケストラの「手売り問題」を解決する目的で生まれ、累計取扱高10億円・利用者100万人を突破。

累計取扱高
10億円+
主催料
8% / 10%
座席DB
400ホール

STRENGTHS

  • 審査なしで最短5分
  • 指定席をドラッグで設定可
  • 初期費用・発券手数料0円

TRADE-OFFS

  • クラシック発祥で演劇ファン基盤は薄め
  • 大手のような告知力はない
— Group C · Self-Serve General

セルフサーブ汎用型 6社

主催者が公演ページを自分で作って販売する方式。手数料は4.9〜10%程度と低めで、即日販売開始できるのが共通点。
ライブ/配信/コミュニティ/企業セミナーなど、それぞれ得意領域がはっきり分かれている。

Peatix — Communities
コミュニティ系

米国発のイベント・コミュニティプラットフォーム。840万人規模のユーザー、グループ機能・フォロワー機能でリピーター獲得に強い。BtoBセミナーから音楽イベントまで幅広い。

ユーザー
840万+
主催料
4.9%+99円
無料券
手数料0円

STRENGTHS

  • コミュニティ機能でリピーター獲得
  • 無料イベントは完全無料
  • セミナー・勉強会で実績

TRADE-OFFS

  • 演劇ファン層は薄い
  • 1枚あたり99円の固定費が小単価で重く効く
TIGET — Live Self-Serve
ライブイベント

2013年スタートのセルフサーブ型電子チケット。アイドル/お笑い/インディーズライブで強く、SNSシェア機能と相性が良い。会員130万超、30万件以上のイベント取扱い実績。

会員数
130万+
主催料
5.5% / 0円
配信
11%

STRENGTHS

  • 主催者0円スタート可能
  • SNS連携・QR電子チケットがスマート
  • 個人でも気軽に始められる

TRADE-OFFS

  • セブン-イレブン非対応
  • 委託販売は最低保証11,000円
ライブハウス系

エイベックス・デジタル運営の電子チケット販売サービス。ライブハウス・音楽イベントを中心に展開。販売手数料5%+振込手数料500円のシンプルな料金体系。

運営
エイベックス
主催料
5%
振込
550円/回

STRENGTHS

  • 低コストでシンプルな料金
  • ライブハウス系で実績
  • 負担先を選択可

TRADE-OFFS

  • キャンセル手数料600円が痛い
  • 知名度はPeatixほどはない
レジャー・施設

LINEヤフー運営。月間6,000万人超のヤフー利用者基盤を活かし、PayPay決済対応など決済の幅が広い。施設・レジャー系チケットの取扱いが多い。

月間UU
6,656万
主催料
3.24〜5%
決済
PayPay対応

STRENGTHS

  • 業界最安水準の手数料
  • ヤフーのリーチ・PayPay対応
  • キャンセル手数料0円

TRADE-OFFS

  • 演劇ファン層への直接リーチは弱い
  • 施設・レジャー寄りの色合い
ZAIKO — Streaming
配信特化・国際

配信ライブで急成長したホワイトレーベル電子チケット。多言語・多通貨対応で海外30ヵ国以上のユーザーに販売可能。手数料を主催者・購入者で柔軟に分担できる。

対応国
30ヵ国+
主催料
10%/0%可
投げ銭
対応

STRENGTHS

  • 配信ライブの実績豊富
  • 海外向け販売・多通貨
  • サブスクリプション機能あり

TRADE-OFFS

  • リアル小規模公演には設計が重い
  • 料金体系がやや複雑
ビジネス系

ビジネスイベント・カンファレンスに強いセルフサーブ型。事前登録・受付管理・名札発行など法人向け機能が充実。手数料は売上の8%。

主催料
8%
無料イベ
無料
対象
ビジネス

STRENGTHS

  • カンファレンス向け機能が豊富
  • 受付・名札発行など実務対応
  • 無料イベントは完全無料

TRADE-OFFS

  • 演劇・舞台芸術には不向き
  • キャンセル手数料が高め
— 06 / Fee Structure

手数料構造の見方

チケッティング手数料は「購入者負担」と「主催者負担」の2軸で考えると整理しやすい。同じ「手数料」でも、誰がどれを払うかでチケットの実質価格は大きく変わる。

購入者が負担する手数料

Buyer-side Fees
  • システム利用料220〜330円/枚
  • 発券手数料110〜165円/枚
  • 決済手数料 (コンビニ)220〜330円/件
  • 決済手数料 (クレカ)無料が主流
  • 特別販売利用料0〜1,000円/枚
  • 配送手数料1,100円/件〜

主催者が負担する手数料

Organizer-side Fees
  • 大手プレイガイド売上の10〜15%
  • 演劇特化型 (teket等)8〜10%
  • セルフサーブ型 (一般)4.9〜5.5%
  • PassMarket最安水準3.24〜5%
  • 購入者負担に転嫁主催者0%可
  • こりっちチケット!クレカ・PayPay 5%

見えづらいコスト

Hidden Costs
  • 審査・契約手続き数日〜数週間
  • 入金タイミング公演後5日〜2ヶ月
  • 振込手数料210〜550円
  • キャンセル手数料0〜600円
  • 最低保証額11,000円〜あり
  • 問合せ対応工数主催側で発生
— 07 / Recommendations

タイプ別おすすめ

ここまでの比較を踏まえ、主催する公演のタイプに応じた「最初に検討すべき1社」を提示する。あくまで出発点であり、複数併用も合理的な選択になる。

CASE A

小劇場〜中規模の
現代演劇/舞台芸術

クレカ・PayPay手数料5%という業界最安水準、関係者・招待客の枠管理機能、観劇コミュニティとの連動。客単価3,000〜5,000円帯の小劇場公演で機能・コストともに最も効率的。

CASE B

大規模/全国ツアーで
知名度を最大化したい

First pick → ぴあローチケ

手数料は高いが、それを補って余りある会員基盤と店頭網。コンビニ発券の安心感が必要な層、地方からの集客が必須の公演には大手の出番。複数併売も検討価値あり。

CASE C

音楽寄り/クラシック
ライブハウス系

First pick → e+ / LivePocket

e+はスマチケでの発券がスムーズで音楽ジャンルでの導線が確立されている。LivePocketはエイベックス系でライブハウス系の柔軟な運用に向く。

CASE D

2.5次元舞台/お笑い/
地方公演

First pick → ローチケ

このジャンル群はローチケがファン層と相性が良い。Loppi発券への慣れがあるユーザーが多く、月刊ローチケでの紙告知も選択肢になる。

CASE E

クラシック・
オーケストラ/吹奏楽

First pick → teket

クラシック発祥のサービスで、約400ホールの座席DB内蔵。アマチュア団体の手売り問題を解決する設計で、オーケストラ・吹奏楽団の運営者に最適。

CASE F

演劇雑誌読者層に
確実にリーチしたい

First pick → カンフェティ

紙の月刊誌+ウェブで演劇ファンを囲い込んでいる強み。割引販売の枠を活用すれば、知名度の低い公演でも一定の動員を期待できる。

CASE G

SNSと相性のいい
個人主催ライブ

First pick → TIGET

主催者0円スタートが可能で、SNSシェア機能との親和性が高い。個人やインディー団体で、まずは試してみたいというフェーズに最適。

CASE H

セミナー/勉強会/
コミュニティイベント

First pick → Peatix

コミュニティ機能・フォロワー機能でリピーター獲得に強い。840万人ユーザー基盤と検索流入が期待でき、無料イベントなら完全無料で運営できる。

CASE I

配信ライブ/
海外ファンへの販売

First pick → ZAIKO

配信特化で多言語・多通貨対応。海外30ヵ国以上のファンへの販売が可能で、サブスクリプションや投げ銭などコロナ禍以降の収益チャネルを統合できる。

CASE J

ビジネスカンファレンス/
法人向け展示会

First pick → EventRegist

法人向けの事前登録・受付管理・名札発行など実務機能が充実。BtoBカンファレンスや展示会、研修系のイベント運営に向く。

CASE K

手数料を最小化したい
レジャー・施設系

First pick → PassMarket

手数料3.24〜5%は業界最安水準。ヤフーのリーチとPayPay決済対応で、施設チケットや日付指定なしのレジャー系イベントに使いやすい。

CASE L

店頭支払い文化の
地域・年齢層

First pick → セブンチケット

セブン-イレブンの店頭で予約〜発券まで完結できる導線が強み。デジタルに不慣れな高齢層、現金やnanaco支払いを好むユーザーが多い場合の選択肢。

編集部から、最後に

チケッティングサービスを選ぶ視点はシンプルだ。
「集客力」「手数料」「機能」「ジャンル特化度」の4つを、自分の公演規模・運営体制に照らして優先順位をつける。

大手は集客力で勝るが、コストも導入の手間も大きい。
特化型はリーチが絞られるかわりに、適切なファンに刺さる。
セルフサーブ型は自由度と低コストが魅力だが、運営力が問われる。

Ticketing Lab 編集部の総合ランキングでは、舞台公演主催者にとっての実用性を最重視した。
その視点で見たとき、決済手数料の水準・関係者管理・コミュニティ連動など、
公演運営の実務に直結する要素を備えた特化型サービスが上位を占めるのは、
偶然ではなく、舞台公演という事業の性質を反映した結果だと考えている。

——本特集が、舞台公演の現場で日々奮闘される主催者の皆様の
意思決定の一助となれば幸いです。